晩婚化に伴う住宅ローンのプランニングの注意点と老後破産

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

先日テレビでも取り上げられた「老後破産」というもの。老後破産というのは生活保護水準以下の収入しかない状態の高齢者とNHKスペシャルで紹介されていました。この老後破産に至る過程については様々な原因があるでしょう。中には事件事故や大病などのように偶発的な事故のようなものもありますが、事前の対応によって回避できるものもあります。今回は老後の家計が苦しくなる原因の一つとして今後増えそうな「住宅ローンのプランニング」について考えていきたい思います。

住宅ローン35年返済はもはや非現実的

住宅ローンといえば、シミュレーションなどをお願いすると大抵の場合30年、35年返済という形で計算されることが多いです。これは慣例ともいえる年数です。

当然、返済年数を長くすれば1ヶ月当たりの返済額は小さくなる為、購入可能な住宅価格も上昇します。ところが、近年の晩婚化や晩産化の状況を見るとこの計算が非現実的になってきます。

厚生労働省、夫・妻の平均婚姻年齢の年次推移は下記の通りです。

昭和45年 50年 55年 60年 平成2年 7年 12年 17年 19年 20年 21年
27.6歳 27.8歳 28.7歳 29.3歳 29.7歳 29.8歳 30.4歳 31.7歳 32.1歳 32.2歳 32.4歳
24.6 25.2 25.9 26.4 26.9 27.3 28.2 29.4 29.8 29.9 30.1

見ていただくとわかるように、結婚をする年齢はどんどん上昇しています。こうした晩婚化を受けて、晩産化と呼ばれる現象も進んでいます。昭和55年と比較すれば平成21年には5歳くらい遅れているわけですね。

進む晩婚化と晩産化で知っておきたい妊娠率低下・不妊症の関係」によると第1子出産の平均年齢も昭和55年の26.4歳から平成24年は30.3歳(女性)へと大きく上昇しているそうです。

 

マイホームを検討して35年経ったら?

仮に、結婚して5年後にマイホームを購入と言う場合、32歳で結婚して37歳で家を買うことになるわけですね。今では定年はおおよそ65歳になっているので、37歳からカウントして28年しか働ける期間は残っていません。
※2013年以降、企業の雇用義務は60歳から65歳まで延長されています。

35年の住宅ローンを組むというのは、65歳以降で仕事をしなくなってからも返済を続けなければならない状況となります。平均的な年齢をベースに考えれば、35年引く28年の「7年間」という期間を仕事は無いけど住宅ローンは返済し続けるという状況になるわけです。

 

住宅販売会社の甘いシミュレーションにご注意

このように環境が変わっているのに、住宅販売会社は35年のシミュレーションをだしてきます。
これは年数を引きのばすことで購入可能金額が大きくなるという点が大きいでしょう。

銀行のローン審査は収入に対する返済額の大きさを見ます。これを「返済比率」と言います。この返済比率は銀行の住宅ローン審査では、30%くらいが目途となります(参考:返済比率と住宅ローン審査

年収が600万円なら、返済比率30%だとすると年間返済額は180万円までです。この年間返済額から逆算をすれば住宅ローンを組める金額が出てきます。

当然返済期間が長い方が借りることができる総額は大きくなります。年利2%の住宅ローンでシュミレーションすると

10年:16,300,000円
20年:29,650,000円
30年:40,580,000円
35年:45,280,000円

といった結果になります。つまり、ローン返済期間を長くすればそれだけ「沢山のお金を借りることができる=高い家を買うことができる」と言うことになるわけです。販売会社からすれば「売れれば良い」わけですから、そういう提案をします。でも、私たちの「老後」を考えるのであれば老後破産の危機に直面しないためにも、リタイア前までには住宅ローンを完済しておきたいところです。退職金を当て込む予定の方もいるかもしれませんが、退職金は退職金で老後のマネープランにおいて貯蓄として必要なお金になります。自分の年齢とリタイアまでの期間を考えて、余裕を持ったローン返済で購入できる家を購入するべきです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。