NISA導入から3年が経過。制度恒久化のメリット、デメリットは何?

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自民党の金融政調会長である根本匠氏は2016年3月17日のロイターのインタビューに対して現行のNISA(小額投資非課税制度)が2023年末の時限的な措置となっていることについて恒久化を含めて検討する必要があるということを見解を示したそうです。

NISAは年間120万円(当初は100万円)までの投資に対してその投資からあがる利益が投資から5年間非課税となる制度です。現行は時限的な措置で2023年に終了する見込みとなっています。

NISAが恒久化された時のメリット、デメリット

メリットとしては「ジュニアNISAの空白期間解消」と「含み損の永遠ジャンプが可能になる」ということでしょうか。

 

ジュニアNISAの空白期間解消

現行の制度が2023年までだとしたうえで、ジュニアNISAのデメリットである18歳まで出金不可という条件が重なると、10歳以下の子供がジュニアNISAを始めると「空白期間」が出てくる可能性が高いということがあげられるわけです。
参考:ジュニアNISAで注意したい払い出し制限と贈与枠

2023年が恒久化されれば、10歳以下の子供でも18歳になるまで非課税で運用ができるわけで、学費を運用で貯めていくという制度上の趣旨が冠水されるものと思います。

 

含み損の永遠ジャンプが可能になる

含み損を永遠にジャンプさせることができるようになるということ。
現行の制度だと、NISA口座から商品が外れるとき(5年経過時)にはその5年経過後の価格が課税上の取得価格となります。

たとえば、NISA口座でA株を1000円×1000株購入した場合、取得価格は1000円です。
ところが5年間持ち続けて、5年後には1株が800円にまで下落しているとします。この場合、NISA口座からA株を外す(普通の特定口座に入れる)と、このA株の取得価格は800円と計算されます。

その後、取得価格の1000円にまで戻ったとして売却すると200円の差額には課税されます。
買値に戻っただけなのに…。

制度が恒久化すれば、NISA枠を消費し続けることにはなりますが、5年ごとにA株をNISAに組み入れ続けることが可能になります。

 

新たな証券優遇税制は打ち出しにくくなる

一方の制度としてのデメリットを考えます。
一つは、税制上の他のメリットを打ち出しにくくなるということがあります。NISAがスタートするまで株の利益や配当に対する税率は10%でした(今は20%)。もともと10%は時限措置による証券優遇税制だったわけです。

参考:2014年、2016年の証券投資の税制変更と節税法のまとめ

 

NISAは長期投資家には良いですが、短期の投資家にはほとんどメリットがありません。
そうした意味で、NISAが恒久化されると、短期投資家向けの優遇税制が登場しにくい状況が続くものと思われます。

 

以上、NISA導入から3年が経過。制度恒久化のメリット、デメリットは何?というお話でした。

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