貸株サービスの最大のデメリットは税制。配当金相当額が雑所得扱いで課税対象になる

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ネット証券が提供している貸株サービス。
投資家が保有する株式投資を、証券会社に貸すことで、貸し株料を受け取れるというサービスです。だいたい0.1%程度の貸株料になりますが、この貸し株サービス税制面で非常に厳しい扱いとなる可能性があります。

下手に指摘されてしまうと、わずかの貸株料では割に合わないくらい税金が取られてしまう可能性があります。大いにご注意ください。

ちなみに貸し株サービスって何?という方は下記リンクをご参照くださいませ。

貸株サービスでネット証券比較
貸株サービスとは、自分が保有する株式を証券会社に貸すことで、その賃貸料として一定のお金を受け取ることができるというサービスです。中長期保有を目的としている株式などは貸株をしておくことで配当金や株主優待以外の第三のインカムゲインとなりうるサービスです。

貸株料および配当金相当額は雑所得扱い

貸株サービスを利用しているとき、株を預けているときにもらえる「貸株料」と、貸し株した状態のままで配当金の権利確定日をまたいだ場合に、証券会社から受け取れる配当金相当額(源泉税分控除済)は配当所得ではなく、「雑所得」としての扱いになります。

貸株サービスでお受け取りいただく『貸株金利』および『配当金相当額』は雑所得となり、他の所得と合算のうえ総合課税の対象となります(マネックス証券)

この所得の扱いって実は結構危険なんです。

 

雑所得って何?

雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得です。
サラリーマンがちょっとした副業などで稼いだお金も雑所得です。この雑所得は「他の所得と合算されて総合課税の対象」となります。

 

配当金相当額は二重課税+損益通算不可

配当金相当額は配当金の金額から源泉徴収額を除いた額となります。
普通の配当金ならこれで課税関係は終了になります。ただし、貸株サービスを利用して配当金相当額として受け取った場合はこの限りではありません。

配当金相当額は雑所得の扱いとなりますので、この分はきっかりと課税されます

税率はあなたの所得次第となりますが、所得税は5~45%、住民税は一律で10%となります。最高税率は55%です。
もっとも最高税率が課せられる人というのはごくわずかなはずですので極端な例ですが、最低でも15%くらいは引かれてしまうという計算になるわけです。

 

また、損益通算の面でも不利です。配当金として受け取った収益(所得)は株の譲渡損失等が発生した場合には損益通算が可能です。ただし、配当金相当額として受け取った場合は雑所得扱いになるので損益通算もできません。

 

20万円以下なら非課税(申告不要)というけれど

各証券会社では下記のようにアドバイスしています。

原則として確定申告の際に申告をいただきますが、サラリーマンの方で給与所得以外の所得が20万円以下の場合など一定の要件を満たす場合は確定申告は不要です。

いわゆるサラリーマンの申告不要制度のことを指しています。配当金として毎年20万円以下しか受け取っていないなら申告しなくていいから二重課税にはならないというお話です。

ただし、これは実は片手落ちです。

 

サラリーマンの20万円以下の収入なら確定申告しなくよてい(申告不要)は本当か?
サラリーマンの副業や副収入などに関して話題になることが多い、20万円以下の収入は申告しなくてもよいというお話。20万円という言葉だけが先行して、実はこの申告不要制度はあくまでも例外であり、適用されるには様々な条件があるということをご存知でしょうか? ま...

上記にも書かれているとおり、雑所得等の20万円以下申告不要は国税(所得税)のみのお話で住民税にはそんな制度はありません。つまり、たとえば、配当金相当額として5万円受け取った場合でも、税務署での申告の必要はありませんが、市役所での申告は必要になります。

住民税の税率は一律10%なので10%分の税金を追加で支払う必要があります。

 

税金問題を考えたら貸株サービスに魅力なし

仮に500万円を証券会社に預けているとして、配当利回りが2%として年10万円もらっている人は住民税だけで1万円を負担する必要があります。500万円で得られる貸株料は0.1%としてわずか500円です。

500円もらうために1万円税金を払うという非常にばからしいことになるわけです。

この点が貸し株サービスの非常に大きなデメリットとしてあるはずなのですが、実際のところあまり大きくクローズアップされていないのはなぜなのでしょうか?

 

この問題を回避するには「配当金」として受け取るしかない

この問題は、配当金を「配当金相当額」として受け取るから大きくなります。
そのため、貸し株をしながら配当金相当額としてではなく通常の配当金として受け取れば問題は解決できます。

貸株はいつでも解除することができるので、保有株の配当金の権利確定日時点で名義を自分のものになるように「いちいち手続きをすれば」解決できます。

ただし、保有銘柄をすべて管理するのは大変です。

ちなみに、貸し株サービスを提供している証券会社では優待銘柄については株主優待の権利獲得のために自動で名義を戻してくれるサービスを提供しています。それを利用しておけば問題は解決できます。

ただし、株主優待がない銘柄については自動的に名義を戻してくれるサービスはないので、手作業で対応するか、そういう銘柄はそもそも貸株に出さないという選択が必要です。

 

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