ソニーのノックイン債(リンク債)販売。株価40%下落を予想?→第1回目で無事(?)早期償還

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ソニー(6758)のノックイン債(仕組債)という債券がマネックス証券から販売されます。今回はこの債券についてどのようなしくみでどんなリスクがあるのかを見ていきましょう。正直ノックイン債はかなり「ハイリスク」な投資商品です。利回りの高さにつられて買うのは危険ですのでご一読ください。

まずは発行条件から見ていきましょう。ちなみに、ソニーのノックイン債ですが発行体は「バークレイズ・バンク・ピーエルシー」です。正式には、リンク債(ノックイン条項付き)というタイプの債券です。

債券の発行条件

正式名称 バークレイズ・バンク・ピーエルシー 2013年7月25日満期
円建 早期償還条項付 参照株式株価連動社債
(ソニー株式会社)
発行体 バークレイズ・バンク・ピーエルシー
格付け A2(Moody’s)、A+(S&P)
利率/税引前 年7.50%
発行日 2012年7月25日
利払日 年4回(2012年10月、2013年1月・4月・7月の各25日)
償還日 2013年7月25日
申込単位 額面250,000円単位
申込期間 2012年7月12日(木) ~ 2012年7月25日(水) 14:00
参照株式 ソニー株式会社発行の普通株式
(株式銘柄コード:6758、東証一部)
当初価格 2012年7月26日の参照株式の株価終値
早期償還判定水準 当初価格の105%(0.01円未満四捨五入)
早期償還評価日 満期償還日を除く各利払日の5営業日前
ノックイン判定水準 当初価格の60%(0.01円未満四捨五入)
観察期間 2012年7月26日から満期償還日の5営業日前までの期間
最終価格 満期償還日の5営業日前の参照株式の株価終値
早期償還 「早期償還評価日」の参照株式の株価終値が、「早期償還判定水準」以上となった場合:「早期償還評価日」の直後の利払日に、額面25万円あたり25万円と当該利払日までの利金をもって早期償還されます。早期償還した場合、それより後の利金はお受取りできません。

当初価格は7月26日の終値がその水準になります。ですから仮に株価が1000円であった場合、早期償還判定水準は1050円、ノックイン判定価格は600円に設定されることになるわけです。
今回は仮にこの株価水準でお話をすすめさせていただきます。

 

ノックイン債って何?

ノックイン債というのは、債券の一種で定められている「ノックイン価格」以下となった場合、償還時の元本が当該株価の株価水準によって変動する(マイナスになる)というタイプの債券です。
債券でありながら、株式投資における「値下がりリスク」を含有しているタイプの債券となります。その代り高い利息がつきます。今回の債券では満期1年の円建債券ですが、利回りは7.50%と高利回りとなっています。ただし、値上がりによるメリットを享受することはできません・

このノックイン債には「早期償還条項」が付与されています。今回のケースでは105%なので、株価1050円になったら早期償還します。となっていうわけです。つまり、株価が一定以上に上昇してノックインのリスクが減った場合は7.5%の利息は支払わないよ、というえげつない仕様になっています。

逆に、株価が60%の水準(仮に7/26の株価が1000円なら600円)を下回ったら、債券の元本も60%の水準でしか戻ってこないというリスク商品です。25万円で買った債券が15万円になって戻ってくることになるわけです。

 

この債券は買いか?

マネックス証券のホームページを見る限り、ソニーの株価は底値圏にあるように思われます。
(チャートの取り方に意図的なものを感じます。これ以上下がるわけないでしょう?みたいな)

これをみる範囲では、この水準からさらに60%も下がるなんてことはあり得ないのでは?たしかに、大きく値下がりをしたらリスクはあるけど、現状の水準のままなら7.5%という高い利回りが享受できるいい投資商品かもしれない。

と判断できるかもしれません。

しかしながら、1年間という期間での株価の上限でプラスマイナス40%というのは決してありえない変動率ではありません。
また、もう一つの大きな問題は「たったの+5%で早期償還する」という点です。早期償還が行われた場合、投資家はその場で債券が償還されてしまい、以後の利息を受け取ることはできません。つまり、7/26以降で株価が持ち直しを見せた場合には、投資家はほとんど利息を受け取れずに償還されてしまうわけです。(最短で10月に早期償還されるので、初回に早期償還された場合の利回りは1.875%の利息となります)

つまり、この債券を買ってもいい人は

ソニーが今後1年間1000円以下くらいの株価で低空飛行を行う。業績悪化などで600円を割ることはない」と判断できたかたのみということになります。

さらに、この債券の発行体は「ソニー」ではありません。バークレイズ・バンク・ピーエルシーです。最近、話題になりましたね。そうです。LIBORでの不正で大きな話題になっています。
債券は発行体が破たんした場合には元本は保証されませんので、ソニーの株価だけでなく、バークレイズが破たんしないこと、というのもこの債券に手を出して良い方の条件になりますね。

 

追記:2012年7月26日

7月26日時点のソニー(6758)の終値は913円でした。前日比+43 (+4.94%)と大きく上昇しましたね。これでノックイン債のノックイン判定価格は547.8円になりました。また、早期償還価格は956.65円となります。ちなみにマネックス証券の公式ホームページによると、同債券は完売ということです。魅力的ですかねぇ。。。

 

追記の追記:2012年10月18日

さて、本債券ですが初回の価格判定日(10月18日)において終値「983円」となりました。早期償還価格である956.65円を上回りましたので、第1回目で早期償還となる模様です。
なお、結果的にこの債券は良かったのかどうかの判断はやめておきます。
ちなみに、本債券を100万円分買っていた場合、1万8750円(税引き前)の利息を受け取ることができたわけです。一方で価格判定日にソニー株を買っておけば、913円。判定価格は983円なので単純に1株当たり70円の利益です。100万円分なら約7万6千円(税引き前)の売買益が発生した計算になるわけです。

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コメント

  1. 勉強中 より:

    勉強になります。

    >>(最短で10月に早期償還されるので、初回に早期償還された場合の利回りは1.875%の利息となります)

    初回の早期償還評価日(2012年10月18日)の終値が983円だったので、最短で早期償還のようです。

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