債券と株の譲渡損益を一体課税。その影響範囲は?

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8月14日付のニュースに債券と株の一体課税に関する報道がありました。個人の金融所得課税において債券の譲渡損益を株式等の損益通算の対象となるということです。現在は非課税となっている債券の譲渡損益を課税対象になりますが、仮に債券の売却で損が出た場合は株式の配当益から差し引けるようになるというものです。これにより株と債券の「配当」「利子」「譲渡損益」の損益通算が可能となります。

注意点。このエントリーはまだ未決定の事実についての考察となります。税改正は2012年8月16日段階では決定しておりません。日経記事に関する考察エントリーとなります。

 

この税改正の影響は?

今回の一体課税についての影響はかなり広くなると思います。
社債や国債といった債券投資をしている方はもちろんですが、公社債投資信託にも影響範囲が広がるものと考えられます。結果的に外貨MMFのようにこれまで税金上優遇されていた金融商品については課税対象となるなど影響範囲の拡大が懸念されます。

 

国債・社債などへ投資をしている人への影響

国債や社債といった債券に投資をしている人は、満期まで保有するのであればこれまでとなんら変わりません。しかし、途中で売却するような場合には影響がでます。売却によって利益が発生した場合は譲渡益として課税されます。
一方で、損失が発生した場合は、「債券の利子所得」「株の配当所得」「株の譲渡所得」から損失分を控除することができます。

満期保有を前提としている方にとっては、債券の利子所得という安定的な収入を不安定な株式の譲渡損益と通算することができるというのは一定のメリットがあるかと思われます。

 

外貨MMFへ投資をしている人への影響

公社債投資信託の一種である外貨MMFへの税改正の影響は甚大です。「外貨MMFは為替差益が非課税」といわれているとおり、外貨MMFの投資メリットとして為替差益が生じても、それは債券(公社債投信)の譲渡益とみなされるため、非課税となっていました。(一部例外あり

しかしながら、今回の債券譲渡所得の課税によって、外貨MMFの為替差益も課税対象となる可能性は高いです。
ここまではデメリットですが、逆にメリットとなる部分もあります。それは株の譲渡損益との損益通算が可能になるということです。

これまで、外貨投資と株式投資との間で損益通算をすることはできませんでした。
外貨預金は雑所得です。FXの場合は株価指数先物取引との間では2012年1月より損益通算が可能ですが、個別株との間での損益通算は不可能です。

一方、この税改正により債券と株の一体課税が実現した場合は、外貨MMFと株式投資との間での損益通算が可能になるわけです。たとえば、外貨MMFでの損失を、株の譲渡益や配当金、他の投信の売買益や分配金などと通算することができるのがメリットといえそうです。
「非課税メリット」が消失するのは外貨MMFにとっては痛いでしょうが、メリットと言えばこの点でしょう。

 

ここまでやるなら金融一体課税を

こうした金融所得に対する一体課税の流れは個人的には歓迎しています。しかしながら、この改正が現実のものとなったとしても、まだ先物やFXなどとの通算はできません。ちなみにFXに関しては店頭FXと取引所FXとの間での損益通算が可能になったなど一体課税の流れ自体は進んでいると思います。

この流れをすすめるのであれば、預貯金まで含めて一気に金融一体課税をすすめてもらいたいと思うところであります。

 

参考サイト
外貨MMF投資と税金 (@外貨MMF投資ガイド

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