7月3日の引け後に発表されたANA(全日空)の超大型増資。これを受けて株価は大きく下がりましたが、インサイダー問題で渦中の野村證券において新たな疑惑が。。。発表前の6月25日に野村證券海外部門(Nomura International plc)における空売り残高情報報告書で大量の空売りをしていることがわかりました。きな臭い感じですね。

左の画像は、6月25日付の野村證券海外部門の空売り残高を示す報告書です。赤線で囲っているところが9202:全日空の空売り残高を示すものです。
これが偶然なのか、意図的なものなのか。現段階ではわかりませんが、自社が主幹事として引き受けた大型公募増資で大量の空売りをしているというのは非常にグレーな展開だと思います。
空売り残高報告義務があるのは0.25%以上の空売り残高があった場合です。直前の22日の方向ではANAの空売りが報告されていませんので、この期間中に少なくとも700万株以上の新規空売りを行ったことになります。グレー?ブラック?
ちなみに、野村證券は今年にはいってすでに3件もの公募増資漏えいが発覚しており、金融庁からも厳しく指弾されています。
3月21日:国際石油開発帝石
5月29日:みずほFG
6月08日:東京電力
(いずれも不正案件の公表日ベース)
今年に入ってすでに3回もチョンボしているわけで、今回の全日空もクロということなら、4度目です。
また、今回は野村證券を批判していますが、同社以外にも今年はSMBC日興証券による「三井住友FG」「相鉄HD」の公募増資情報漏えい、大和証券による「日本板硝子」の公募増資情報漏えいも発覚しています。いずれも大手証券です。日本の証券界を引っ張るべき存在であるはずのガリバー証券がこんな不祥事ばっかりでは、日本の株式市場自体の地盤沈下は避けられないことかもしれません。
関係者含め、全力での解明と公平な市場づくりをおこなっていただくようお願いしたいところです。
結局、今回も野村は10万円の罰金で済むってことになるんですかねぇ。業界のガリバーがこんなんじゃ、そりゃあ海外の資本家からも見放されますよね。